+COCOCHI 冨田 陽子

+COCOCHI代表 冨田 陽子

+COCOCHI 代表

冨田 陽子(とみた ようこ)

インテリアコーディネーター

1973年 宮崎県の中央部に位置する城下町、高鍋に生まれる。
福岡の短期大学を卒業後、町田ひろ子インテリアアカデミーの夜間クラスへ2年間通学。
1年生の後半の頃、アカデミー講師の事務所に、電話番がすぐに欲しい!とアルバイトに入ることになった。
日中は事務所で社会経験を積み始め、週2回の授業がある日は事務所から通学する生活が始まった。
2年生に上がると同時に契約社員に、卒業と同時に社員となり、東京本社へ転勤となった。上京してから本格的に、コーディネーターの実務経験を積み始めることとなった。約5年半勤め、その後フリーランスを7年経た後、+COCOCHIを設立。この道一筋で歩み続けて今に至る。

この仕事に就くことになったきっかけは、12歳のとき、町営団地から戸建ての新築住宅計画の際、初めて自分の部屋をもらうことになったこと。このとき、壁紙・カーペットの色、照明器具を”選ぶ”経験をして、種類の豊富さに驚いた。そのときの、とてもわくわくした感覚と、完成した部屋を褒めてもらった言葉が嬉しかったこと。その体験が、仕事の原点になっている。 

仕事では、マンションや戸建て住宅のモデルルームに多く携わってきた。お客さまが日常生活から少し離れ、憧れや夢、そこで生活する希望を膨らませるような空間づくりを行ってきた。それは「新しい品物が運んできてくれる、幸福感と豊かさ」の演出を中心とするものだった。

しかし、冨田の仕事における「豊かさ」はそれにとどまらない。今、すでにある“愛着のあるもの”や“状態”、“空間”を見直してみて、何か変化を加える。それだけのことでも、その場所は見違えるように、居心地のよい場所になる。「いい感じになったなあ、とじんわり心から思えるような場所」に、劇的に変えることができるのである。

何気ない色や布の使い方、花や植物の生け方、家具や小物、照明の選び方と配置。そうした一つ一つのことが、不思議な魅力を生み出すのが、冨田の仕事の特色である。

今あるものに何か変化を加えた事例について、冨田は次のようなエピソードを紹介してくれた。

「以前、会社員をされている一人暮らしの女性から、模様替えのご相談をおうけしたことがありました。
忙しかった仕事が落ち着いてきたことを機に、大事なプライベートを自分の部屋でより充実したものに変えてみたくなりました、と話してくださいました。

ご希望のインテリアイメージ、雰囲気、改善したいこと、変えたくないことなど、細かなご希望を伺ってプランニングにあたりました。その計画を実行する中で、ダイニングチェアの座面をDIYで張替えして、とてもお客さまに喜ばれました。

また、不要になって置き場のないアイアンシェルフは、処分するにも胸が痛むという思いから、引受希望者を募りました。結果、アイアンシェルフは東京のお客様のご自宅から、九州博多のテキスタイルを販売している店舗へと貰われていくことになりました。私自身の小さなコミュニティの中で繋がり、渡ったご縁でした。

模様替えの仕上がりはお客さまにも喜んでいただけて、その喜びは博多の友人にも、もちろん私自身にも同様です。」

愛着のあるものを活かし、ひとの気持ちを生かし、場所の現状を活かして、住む(居る)場所を変化させること。それは、全ての要素を新しくして場所を創ることに劣らず、豊かで幸福なことではないか。
その思いが、冨田の仕事のもう一つの核心になっている。