朝日地球会議2017を聴講してきました

sDSCF1431s

朝日地球会議2017を聴講してきました

今日は、朝日地球会議2017 を聴講してきました。 私の簡単なメモをもとにレポートを作ってみました。内容が不正確な部分もあるかと存じます。誤りにお気づきの方は、ぜひご指摘を頂けましたら幸いです。 ※表紙の写真は、今回の内容とは違うのですが、岩泉町の龍泉洞の断面模式図を借用しています。   朝は、「フェアトレード オーストラリア・ニュージーランドCEO」モリー・ハリス・オルソン氏のお話が良かったです。 まず、国連開発計画の「持続可能な開発目標(SDGs)」というものについて紹介がありました。 これは、貧困をなくすこと、質の高い教育を誰もが受けられるようにすること、安全な水とトイレを使えるようにすること、エネルギーを皆が、クリーンに利用できるようにすること、などの17の項目からなる目標です。   世界の様々な場所で、強制労働や人権侵害を伴った生産現場が企業の利益を生み、先進国などがその恩恵を受けている「現代奴隷」という実態は、耳にすることはありましたが、色々な数字を示されると、それが他人事ではないという実感を伴ってきます。 イギリスで、2015年に「現代奴隷法」という法律が成立したということも、筆者は不勉強で知らなかったので、お話を聞けて良かったと思います。   コンサルタントの籾井まり氏のお話もあり、その中で衝撃を受けた内容ですが 木材に関して、原材料がどこから来ているかを調べる、デューデリジェンスという概念が紹介されました。 マレーシア サラワク州(ボルネオ島)で、先住民族の土地への権利を侵害した、原生林の伐採行為により生産された木材が、日本で流通しているコンクリート型枠など合板の1/4の供給源となっており、新国立競技場のコンクリート型枠にも使われていたこと、そのことが指摘されたにも関わらず、発注者である東京オリンピック当局は、木材貿易の実際のビジネス慣行を考慮するとして、現状を追認する姿勢を示しているとのお話でした。 私達の意識がいかに低いかということを、あらためて認識せざるを得ませんでした。   一方、EUには、EU木材法2条というものがあり、責任をもって合法な調達を行うことが義務づけられているそうです。   トレーサビリティ(材料の流通経路を生産段階から最終消費段階まで追うこと)は、私もあまりできているとはいえません。 前職でも、東日本大震災や大雪で色々な建材・住宅設備の生産現場、保管現場が被害をうけて、住宅の供給の現場では何ヶ月かの大混乱があったり、シックハウス症候群を発症してしまったお客様の要望で、内装に使った全ての材料の出どころを追跡したものの、大工さんがホームセンターで購入したという合板について、それ以上の情報がどうしても得られなかったという経験があります。   簡単なことではありませんが、今後の課題として、考えさせられました。   次に、マイケル・ブース氏の、コペンハーゲンを舞台とした「季節感を重視し、地元食材を使った新北欧料理」についてのお話を伺いました。 「季節感を重視し、地元食材を使う」ことは、フランス、スペイン、イタリアでは当たり前なのだそうですが、デンマークでは、プロテスタント・ルーテル教会式「食を楽しむのは罪(?)」「食に時間をかけるのはNG」という価値観があり、食を楽しむ文化が、歴史上それほど発達していないのだそうです。 そのような背景で、プロデューサーや、シェフが色々と試行錯誤して、コペンハーゲンの食の世界を盛り上げ、レベルアップさせたそうです。 マイケル・ブース氏は日本の料理のことにも触れ、日本の美味しい食材と伝統ある食文化、例えば懐石料理、コースの構成・盛り付け・味付け・おもてなし、有田焼のような器の文化、豆腐や鮒ずしのような発酵食品は、世界に誇れるものだと激賞しておられました。   午後は、地下水の専門家の市川勉 東海大学熊本教養教育センター教授から、熊本の地下水の水量変動と、水田から畑に転作された耕作地への「湛水」事業の話を伺いました。   そのあと、鈴木直道夕張市長から、地産地消エネルギーについてのお話があり、これは圧巻でした。 処理に困っていた、夕張炭鉱時代の産業廃棄物、通称「ズリ山」から、エネルギーを取り出すプロジェクトを始動させること、同じく炭鉱時代には、死亡事故を伴う重大な労働災害の原因となっていた、厄介なガス「石炭層中にあるメタンガスCBM」を、エネルギー源とするべく試掘をはじめたことについて、お話がありました。   その次に、倉阪秀史千葉大学大学院教授から、日本のエネルギーの現状についても、わかりやすくお話があり、再生エネルギーの「固定買い取り制度」が、地域外からの資本による開発を招き、地域外への資源の持ち出し・地域環境破壊を招いている側面も含め、現状と課題がよくわかる内容になっていました。 岐阜県郡上での「発電農協」、群馬県中之条町での「自治体が主導してのメガソーラー(売電収入でリース代をまかない、初期費用が抑えられたとのことでした)」、長野県飯田市での地域環境権に関する条例(エネルギーを地元で使うこと、地元主体での開発の促進)の例が挙がっていました。 エネルギー政策は国がやるものと思われているが、そうではなく、地域主体でも十分できる、というお話がありました。 ゼロエネルギービルについても言及があったので、建築業界に身を置く筆者も取り組んで行かなければと、思いを新たにした次第でした。(中鉢記)